マッサージやスキンケア、ヘアケアに使われているキャリアオイル。
液体のオイルだったら何でもいいの?アロマに使うキャリアオイルは何がいいの?
アロマテラピー歴14年のアロマインストラクターの著者が、アロマに使うキャリアオイルについてご紹介していきます。
自分の目的に応じたキャリアオイルを見つけて、アロマライフを楽しみましょう。
キャリアオイルとは?キャリアオイルをアロマで使う理由

キャリアオイルって何?
キャリアオイルとは、植物から抽出された植物油のことです。
アロマテラピーでは主に種子や種子の仁を原料とし、熱を加えず絞って採れる油脂を使います。
キャリアオイルにはオレイン酸、リノール酸などの脂肪酸や、ビタミンAやEなどのお肌によい成分が含まれているので、単体でマッサージやお肌のお手入れに使用されることも多いです。
また精油を希釈して使用する時の必需品でもあり、精油を全身に運ぶ(carry)オイルという意味でキャリアオイルと呼ばれています。
またオイルとしてだけでなく、みつろうクリームなどのクリームにも使います。
アロマテラピーでキャリアオイルを使う理由
精油は原則として原液をお肌には付けません。
それは精油が植物の香りの成分をギュッと濃縮したものであり、そのままお肌に付けると皮膚トラブルを起こすことが多いからです。
また精油は分子が非常に小さくかつ油溶性なので、皮膚をかんたんに通過して血液の中に入ってしまいます。
精油には禁忌を持つものもあり、もし禁忌にあたる人が精油を原液で肌に付けてしまったら、血液の中に成分が入ってしまって危険です。
そこでキャリアオイルで薄めてお肌に塗るのです。
キャリアオイルで精油を薄めて使う目的は
- 精油が肌の中へ素早く入っていくのではなく、ゆったりと入っていくので危険度が低くなる
- 精油が揮発することを抑えて、精油の効果を長くもたせる
- キャリアオイルそのものの作用と精油の相乗効果
などです。
アロマテラピーで使うキャリアオイルの選び方
アロマテラピーで使うキャリアオイルに関しては、選び方や注意点があります。
- 植物性100%の油脂を選ぶ
アロマテラピーで使うキャリアオイルは、植物性100%の油脂を選びます。
ミネラルオイルやベビーオイルは石油系で、植物油ではないのでご注意を。
それらが悪いわけではなく、アロマテラピーでは使わないということです。
- 化粧品油を選ぶ
100%植物油と言うとたまに「食用の方が安いし、食用だから安全なのでは?」と質問されます。
食用は食用として作られていて栄養や添加物が加えられているものありますので、アロマテラピーでは必ず化粧品油を使います。
- パラベンなどの酸化防止剤が含まれていないものを選ぶ
オイルは酸化しやすいので酸化防止剤が添加してあるオイルもあります。
が、アロマテラピーでは無添加のものを選びます。
トコフェロールというビタミンEの添加はOKです。
- 残留農薬や重金属などが入っていないと確認されたものを選ぶ
それらを確認できる結果を公開しているメーカー、または一定の基準値をクリアしたと認定されているメーカーがおすすめです。
私がおすすめしている精油メーカーはどこもキャリアオイルを販売しているので、そのメーカーだとキャリアオイルはアロマテラピー仕様なので安心です。参考にされてください。

色付きと透明のキャリアオイルの違い
キャリアオイルには透明で無臭のものと、色と香りがついているものがあります。
透明・無臭のものは精製されているものが多く、精油の香りを楽しみたい時や敏感肌の方は精製されたキャリアオイルを使うといいでしょう。
精製されていないものは成分もそのままなので、キャリアオイルの成分をより期待したいのなら未精製のものを使います。
またキャリアオイルによって含まれる成分もさまざまなので、目的に応じたオイルを使いましょう。
精油とキャリアオイルの違い
精油には「油」という文字が使われているし、油溶性なので油なのかと思われがちですが違います。
柑橘系の精油はキャリアオイルと同じく圧搾法で採られますが、キャリアオイルと成分が違うのですね。
精油は香りの成分が濃縮されたもので、キャリアオイルは油脂です。
キャリアオイルの保管方法
キャリアオイルは酸化しやすいので、とにかく酸化を進めさせないようにします。
- 遮光瓶に入れてしっかりと蓋をして立てて保管する
- 直射日光のあたらない冷暗所に保管する
- 開封後はなるべく早く使い、消費期限内には使い切るようにする
※キャリアオイルの消費期限はメーカーやオイルの種類によって違いますので、商品に記載されている消費期限に従ってください。
おすすめキャリアオイルの種類
では、アロマの保健室がよく使用するおすすめキャリアオイルをご紹介します。
ホホバオイル

アロマテラピー初心者の方がまず購入するならホホバオイルをおすすめします。
ホホバオイルは酸化しにくく保湿性があるので、マッサージオイルとしても、スキンケアのアロマクラフト作りの材料としても重宝します。
未精製(ゴールデン)と精製(クリア)があり、どちらも効果は変わりませんが、未精製のものはかすかに香りがあります。
※詳しくはホホバオイルは油脂ではなく液体のワックスです。
マッサージのベースオイル、スキンケア、ヘアケア
どの肌質の人にもOK
ファーナスオイル

ファーナスという植物から採れたわけではなく、植物油から飽和脂肪酸だけを抽出して作られた酸化しにくいオイルです。
無色透明で精油の香りのジャマをしませんし、分子量が小さいので肌への浸透も深いです。
マッサージのベースオイル、スキンケア(どの肌質の人にもOK)
スイートアーモンドオイル

さらっとした使い心地でマッサージオイルとして人気が高く、赤ちゃんにもよく使われています。
保存期間はホホバオイルやファーナスオイルよりも早く、開封後3~4か月程度です。※メーカーによる
ホホバオイルやファーナスオイルより値段は安めです。
マッサージのベースオイル、スキンケア、痒みのある肌
グレープシードオイル

伸びが良く軽い使用感でマッサージオイルとして人気です。
ただ酸化が早いので早めに使い切ります。
酸化が早いせいなのか、サロンでグレープシードオイルを使ってアロマトリートメントをしていた時は、タオルがオイル臭でくさかったです・・・。
マッサージのベースオイル、脂性肌
アルガンオイル

美容オイルとして有名で、モロッコのアトラス山脈にだけ自生する木から抽出される希少なオイルなので、お値段もお高めです。
アルガンオイルのみでももちろんいいけど、お肌に有用な精油をブレンドするとさらに効果的です。
スキンケア(老化防止、ひび、やけど)
ヘアケア
ローズヒップオイル

コラーゲンの生成を促すと言われており、美容オイルとして有名です。
お値段もお高め。
あらゆるお肌のお悩みに良いのですが、唯一酸化しやすいことがデメリットです。
なのでローズヒップオイルは容量が小さいものを選んだ方がいいです。上の写真は右側が50mlで使い切ることが出来ず、新たに左側の25mlを買いなおしたのです。
色は黄色く臭いがあります。
ローズヒップオイル単体で使ってもいいし、肌に有用な精油をブレンドするとより効果的です。
スキンケア(老化防止、シミ・シワ、色素沈着の予防、ニキビ、しっしんなど)
小麦胚芽油

ビタミンEが豊富で抗酸化作用があり、独特の臭いがします。
ベースオイルとしてではなく、ほかのキャリアオイルに少し混ぜて使います。
少し混ぜることで他のオイルの酸化防止剤にもなります。
スキンケア(老化防止、乾燥、肌荒れ)
アボカドオイル

粘土が高く色が濃いオイルです。
ビタミン類が豊富で、保湿力に優れています。
ベースオイルとしてではなく、ほかのキャリアオイルに少し混ぜて使います。
冬のクリーム作りにホホバオイルに加えると、保湿力がアップしました。
スキンケア(乾燥肌、かかと、ひじのガサガサ)
マッサージオイルのベースオイル向き
ホホバオイル、ファーナスオイル、スイートアーモンドオイル、グレープシードオイル
スキンケアのベースオイル向き
ホホバオイル、ファーナスオイル、アルガンオイル、ローズヒップオイル
美容オイルとして
アルガンオイル、ローズヒップオイル
スキンケアの補助的なオイル向き
小麦胚芽油、アボカドオイル、ローズヒップオイル
キャリアオイルの使い方いろいろ

アロマテラピーでのキャリアオイルの具体的な使い方をご紹介します。
アロママッサージオイル
好きな精油をブレンドしてマッサージします。
体全体のマッサージオイルなら1%以下、肩や脚などの部分的なマッサージなら3%以下にします。
マッサージオイルの詳しい作り方はこちらの記事を参考にされてください。

アロマスキンケアオイル
保湿力のあるキャリアオイルと精油のブレンドをして、お顔のスキンケアに使います。
キャリアオイルそのものに効果があるので、精油は無理に使わなくてもいいけど、使った方がよりお肌への効果がアップします。
アロマスキンケアオイルの詳しい作り方はこちらの記事を参考にされてください

ヘアケア用オイル
キャリアオイルはヘアケアオイルとしても優秀で、有名なものだと椿オイルがありますね。
単体で使ってもいいし、ヘアケアに効果的な精油をブレンドするとリンスとして使えます。
ちなみにヘアケアにおすすめな精油は、リトセア、カモマイル・ローマン、セージ、ニアウリ・シネオールなどがあります。
でも、キャリアオイルに十分な成分が含まれているので、ヘアケアは好きな精油をブレンドして気分が良くなるために使うのもアリです。
アロマクリーム
みつろうクリームやふわふわなホイップクリームなど、手作りコスメにも大活躍です。
わたしは秋から春にかけてみつろうクリームは必需品です。
作り方は後日記事にしますのでお待ちください。
アロマリップバーム
リップクリームと同じ材料でリップバームを作ることが出来ます。
リップバームは1年中活躍しています。
作り方は後日記事にしますのでお待ちください。
目的に合ったキャリアオイルを利用しよう
アロマテラピーでキャリアオイルを使う理由や選び方などをご紹介してきました。
キャリアオイルは精油を安全にお肌に塗るために必要なもので、アロママッサージやアロマクラフト作りに欠かせないものです。
キャリアオイルそのものの効果も優れているので、単体で使ってもよし精油を混ぜて使ってもよしです。
正しくキャリアオイルを選んで、ぜひ毎日のスキンケアやセルフマッサージにお役立てください。